メイキング

木目金

江戸時代に生まれた、色合いの異なる地金を何枚も交互に重ね、一つの塊にし手作業で、 打ち伸ばし掘り込むことによって、一点一点異なる木目状の模様と色が現われる、400年の歴史をもつ日本の伝統技法です。

って堅っ苦しい事を述べましたが、別に400年の歴史とか伝統工芸作るわけでも、木目金職人と名乗りたいわけでは無いんよ。 ただの作り手(笑)木目金に魅せられた木目金馬鹿が作るアクセサリー。 ただの作り手やからこそできる作品(邪道なモンや変なモンも含め)を楽しんでもらえたらなぁー うれしいなぁー

工程1 工程1

銀板、銅板、赤銅板を切る(ゴム手をして切るのは、脱脂作業の時間短縮の為なのよ)

ひたすら切るー、たぶん話しかけられても気付かんのとちやうかなぁー

工程2 工程2

接合しやすいよう表面の処理をして、酸化皮膜と油分の除去(ちょっと気を緩められる時間よー)

工程3 工程3

ココからは、酸化が進むから素早くね。
地金の順番を間違えないように重ね、金具と万力で固定

時々テンパって順番まちがえそうになるわー

工程4 工程4

炉を作ってバーナーで焼成。
一度火をつけたら焼成完了まで炎を止めません(一時間以上は炙ってると思います)

あっついわー 汗止まらんわー 疲労のピークやわー

工程5 工程5

焼成完了―――――!!
ゆっくりと冷まして一日目の作業終了

工程6 工程6

ココからは力技―――――
約5mm厚になるまで、熱しては叩くのくりかえし(急冷ナマシは、失敗したことがあるんで熱いうちに叩きます)

やっぱり熱っいわー 手首いわしそうやわー

工程7 工程7

予定の厚になったら小さく切っちゃいます(いろんな柄を出したいんで)
ねじったり、ドリルやタガネで模様を彫っては叩きの繰り返し。

まだまだしんどいわー

工程8 工程8

約1mmになって、木目金パーツの出来上がりー パーツのね

これから、加工して木目金アクセサーリーになるんよ

 


 

 

煮色着色

    

ロウ付けが終わって、研磨~仕上げしたのん
通常の「シルバー」や「銀と銅だけの木目金」やと、コレで完成なん…

さぁ~色あげぢゃー!!!てか、普通この段階ではピカピカにはせんのやけど…

     

まず、煮込み液の材料(緑青、硫酸銅、明礬)と その他の道具たち…

水色の不気味な液体が 煮込み液!! (2本有るんは、配合を変えて作ってるから)大根も必須なんよー

   

銅や銅合金は空気に触れると、すぐ茶色く酸化するんで、
朴炭~油桐炭で水研ぎ(#2000弱のヤスリ目になるんちゃうかなぁ)して、
スポンジヤスリ(たぶん#3000位の目?やと…)~研磨液(ワシが作ったオリジナルぢゃ)で、鏡面仕上げ

本来、[胴刷り]するんが伝統技法?なんやろうけど…  邪道と言われようが「結果オーライ(笑)」ぢゃ

     

煮込み液を土鍋で沸騰させて、大根おろしをガーゼで搾った おろし汁 を作る。

結構、このへんは段取りが重要なんよー。あっ!!大根は新鮮なのがおすすめ

    

鏡面に仕上げた木目金を、素早くおろし汁に浸けて  煮込み液へダイブ (空気に触れると直ぐ酸化しよるから 素早くね)

弱い沸騰を持続させながら煮ていくん

     

時々、煮込み液の濃度調節に お湯を足しながら、
重曹を着けたメラミンスポンジで  磨き ~ おろし汁 ~ 煮る ...を繰り返す

     

煮てたら、銀面が黄色く変色するんで、こまめに重曹で磨く~おろし汁~煮るを…。もう少し赤銅が黒くなれば完成ぢゃ(笑)

ワシは、短時間で黄色味が出てしまうようになったら なんとな~く?おろし汁を新しく交換してるん。(意味はないかもしれんけど…)

     

トータル2時間くらい煮込んで、完成!!

どや!!!! 色あげしたら、メリハリが効いたぢゃろ(笑)

...と、「メイキング」と称して「木目金」の完成まで説明いたしました。
が...
ぶっちゃけ だいぶ端折ってるでーー(笑)
(地金の延方向、還元雰囲気で焼成する表面処理や炉の形状、煮込み液の配合...etcなど)
ここで説明した技法は ワシのやり方…やと思って下さい。